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まえだ
ライター
みなさんはオーガニックにどんなイメージを持っていますか?
2018年の農林水産省のアンケート調査によると、オーガニック食品のイメージについて約8割の方が
と回答しており多くの方がオーガニック食品に対して安心安全というイメージを抱いていることが分かります。
しかし一方でオーガニック=絶対的な安心・安全では決してないという意見もあることを是非知っておいて欲しいと思います。
最後には安心安全なオーガニック食品の選び方もご紹介しますので周りで知らない方がいたら是非シェアしてあげてくださいね♪
目次
オーガニック食品が多くの人に好まれる理由は、その安全性ですよね。
オーガニックという言葉は欧米から来ていて「有機的な」「有機栽培」という意味なのですが、有機的の意味を辞書で調べてみると「生き生きしている」や「生命力に溢れている」という意味になります。
自然の営みの中でよりナチュラルに育てられた農作物、畜産物、そしてそれらを加工した商品に付けられる名称です。
日本でも55の有機登録認証機関が存在し、その中でも食品に使われることが多いのは「有機JASマーク」です。
JASマークやオーガニックについてもう少し知りたいという方はこちらの記事をご覧ください。
>>【自然派の人必見】オーガニックの本当の意味を知ると選ぶ理由がわかる!<<
有機JASとはJASという会社の認証システムを指し、国連の定めた基準に基づき2001年(畜産物は2020年から)に制定されました。
土地や作り方にも条件があり、農薬や化学肥料を使用していないことや、遺伝子組み換えの種を使わないといったかなり厳しい規定もあります。
そういった基準をクリアしたものだけが有機JAS認定マークをつけることが出来るのです。
ですので、オーガニック食品は一般の食品よりも安全性が高いといえるわけです。
しかし冒頭でお話したとおりオーガニック食品は危険性があるのではないかと言われるのはなぜでしょうか?
その理由に
この2つにヒントが隠されています。
この二つの問題点について詳しく見ていきましょう。
先述したとおり、JAS法のルールとして農薬や化学肥料を使用しないことが条件とされていますが、農林水産省の有機JASのページをよく見てみると農薬の一部使用が認められています。
有機農産物は、次のいずれかに従い生産することとする。農業の自然循環機能の維持増進を図るため、化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避けることを基本として、土壌の性質に由来する農地の生産力(きのこ類の生産にあっては農林産物に由来する生産力、スプラウト類の生産にあっては種子に由来する生産力を含む。)を発揮させるとともに、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した栽培管理方法を採用したほ場において生産すること。採取場(自生している農産物を採取する場所をいう。以下同じ。)において、採取場の生態系の維持に支障を生じない方法により採取すること。
引用元:有機農産物の日本農林規格
この文章から分かるのは、有機JASが定める有機農産物というのは、
ということが定義として定められているという事です。
したがって、オーガニック(有機JAS)=無農薬ではなく、化学合成されていないという条件をクリアしていれば一部の農薬の使用が認められていて、使用可能な農薬の量に関しては制限がないという仕組みになっています。
オーガニックの目的は水汚染や土壌汚染、大気汚染から環境を守り健全な食物連鎖と人間の健康をも守ることですが、有機JAS規格には人体への安全性や健康への効果など一切書かれておらず、本来人の食の安全のために作られた制度ではなく環境に対して作られた基準になります。
たとえ使用されている農薬が危険性の低い農薬であっても過度な使用は過剰蓄積と高濃度化のより弊害を起こす可能性があり一般農薬以上の危険も十分に考えられます。
つまり、有機JASマークは「環境に与える負荷の少ない農法で育てられた農産物」であることを消費者に示すマークであり、人の体へ配慮された認証ではないのです。
もう一つは有機肥料の問題です。
植物が育つ栄養である肥料は、米ぬかや鶏糞などの自然のものを原料とした有機肥料と、鉱物などを化学的に加工してつくられた化学肥料があります。
この2つの肥料のうち、有機肥料を使った栽培のほうが、より安全性が高いといわれていて有機JASでは化学肥料の使用が禁止されています。
有機肥料は
の二つに分けることができます。
ここで特に問題視されているのが前者の動物性堆肥です。
日本の有機JAS法はヨーロッパやアメリカのオーガニックに比べると非常に基準があいまいで、特に畑に投入する動物性堆肥に関して問題が多いようです。
家畜が何を食べ、どのような健康状態で飼育されているのかが、肥料の質にとって重要となりますが、現在の畜産業の9割は遺伝子組み換えの餌を与えて行われていると言われています。
また人間と同じく、ワクチンによる予防接種をしたり、家畜の餌には病気予防として抗生物質を混ぜ、食べさせているのが現状です。
これらの動物性堆肥を不自然に投与することにより作物のにがみやえぐみの元となる硝酸性窒素という数値が増えていってしまうことがあります。
硝酸態窒素は、植物が成長する上で必要な栄養素と言われていますが、この硝酸対窒素を過剰に吸収した野菜が大変危険で深刻な健康被害が注目されていて、ヨーロッパや海外では赤ちゃんが青い顔して急死してしまった事例(ブルーベビー事件)があり、欧米のほうでは動物性堆肥にも制限や規制があります。
日本でブルーベビー症候群のような事故は起きていないといわれていますが、硝酸塩の危険性を指摘した「週刊朝日」(1989 年 3 月 6 日 号)で、予防医学科学委員会の能勢千鶴子会長は「生後 6 ケ月未満の赤ちゃんが原因不明で突然死したケースの中には、硝酸性窒素を多く含んだ水で溶かした粉ミルクや、硝酸性窒素が多い野菜を使った離乳食を食べたことが原因だったと考えられるものがあります」と指摘しています。
残念ながら日本では硝酸塩のことは一般に知られていないし、 安全基準もありません。
硝酸態窒素が多くなると、あらゆる生活習病の根本原因になると言われていますが、日本人の硝酸塩摂取量は一人一日200~400mgなのに対して世界平均は50~140mgで日本人は世界の約3倍多く摂取していると言われています。
アトピー性皮膚炎の方は海外生活を長く送ると完治している例が多くあるそうです。
化学肥料であっても適切な使用の範囲では安全といえるでしょうし、有機肥料であっても不適切に使用すれば危険となる可能性が無いとはいえないのです。
硝酸対窒素の値が増えてしまうのはオーガニックの農作物すべてではなく一部のものとなり、すべてのオーガニック食品が危険なのではなく重要なのは堆肥をしっかりと発酵できているかどうかが重要です。
有機農業で肥料の熟成について、「完熟堆肥」という言葉が、明確な定義がないまま使われていて、「完熟の目安は最低3年」と言われていますが、最近では2~3ヶ月で田畑に入れられるケースが多く、発酵が不十分だと堆肥の温度が上がらず殺菌が不十分となり、病原菌が堆肥のなかに残ってしまうことがあり窒素過多の原因になります。
有機農業でも農薬などを使う一般的な農業でも、未完熟な堆肥を使用することで畑に大腸菌群やサルモネラ菌が住み着く可能性があります。
つまり、有機野菜=堆肥が大腸菌まみれで危ない、のではなく、未熟な堆肥=大腸菌等が多いということになりますね。
すべてのオーガニック食品が危険なのではなく未完熟の動物性堆肥を使用した際に気をつけないといけません。
なぜ食品にオーガニックがつくのか?
その理由は簡単で、ちゃんとオーガニック基準に沿って生産・加工している人たちが、そのことをちゃんと証明し社会的信用を得たいと考えたからです。
そもそも有機JAS認定が制定される前は「有機表示のガイドライン」に基づいて、生産者や加工業者の自主的確認のみで有機表示できました。
しかし当時から、ガイドラインを満たさない食品がオーガニックとして販売され、ルールを守って真面目にオーガニックを作っている人たちまで疑われるという事態に陥っていました。
そのため、国際的にもオーガニックの表示ルールを決めようという機運が高まり、国連の下部組織であるコーデックス委員会で議論が行われ、1999年コーデックス規格が発行され、翌年には、コーデックス規格に基づいてJAS法のオーガニック表示ルールが確立したわけです。
また、JAS法では水産物やそれらの加工品、食品以外の繊維や化粧品などはオーガニック表示のための検査・認証が強制になっていません。
その理由は、これらの商品が市場でオーガニック表示されるケースが少なく、混乱していないためです。
現在JAS法で検査・認証が求められるのは
になります。
オーガニック食品が絶対的に安全なのではなく危険も潜むことはわかりましたが、私たち消費者は購入する際にどのようなところに気を付けて食材を選べば良いのでしょうか。
農薬を使っているのか動物性堆肥を使用しているのか、判断するのはなかなか難しいのでいくつか選ぶ際のポイントをご紹介しますので参考にしてみてください♪
1.消費者の口コミを参考にする
やっぱり一番信頼できるのは消費者の方の素直な感想ですよね♪
信用出来る業者なのか、価格は高すぎないかなど最低限のことは購入する際にチェックしておきましょう。
2.旬のものを選ぶ
旬の野菜は栄養価が高く価格も安くなっています。
さらに栽培期間が短く農薬をかける回数も少ないので農薬も少ないと言われています。
3.シンプルなラベル表示のものを選ぶ
残念なことに「オーガニック」と表示されていても完全にオーガニックではなく添加物が使われている場合が多くあります。
なるべく裏の食品表示を見るようにし一つ一つ添加物を判断するのは難しい方はシンプルな表示のものを選択するようにしてください♪
4.直感を信じる
抽象的になりますが、やはり自分自身の感覚を信じる事が大切です。食べた時に美味しいと感じるのか、体がだるくなったり、違和感はないか五感を研ぎ澄ませて体が喜ぶ食材を選択するようにしてください♪
オーガニック食品の選び方のポイントはこちらの記事で詳しく解説しています。
いかがでしたでしょうか?
危害リスクが皆無の食品など存在しないのは大前提として、有機肥料(特に動物性)の危険性を考慮し、出来る限り農薬も肥料も使わないで、本当に健康に良い有機野菜作りに取り組む農家さんもたくさんいます。
しかし現状では、大量の有機肥料を使って栽培した野菜も多く、そうでないものも、同じ「有機野菜」としてくくられることになります。
手にとった食品がご自身の思っているようなオーガニック食品なのか、有機JASの表示だけでは解らないということです。
未来の子供たちが、安全で豊かな自然環境で幸せに暮らせるように安心して食べられる食品が当たり前に購入できる日が来ると良いですね♪
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