テフロン加工は危険なの?化審法から始まったフッ素樹脂加工の調査旅

畑仕事をしていて思うのですが、自然の中で食べるご飯って本当に美味しいですよね。

夏の醍醐味である「BBQ」もいいですが、普段家で食べる様な物を外で調理して食べるのだけでもまた格別に感じます・・・

畑の中に小屋と日よけのあるテーブルが設置してあり、午前中の畑仕事が終わった後、自然農法の採れたて野菜を収穫して直ぐに調理して食べるのが、なんといってもの楽しみです!

テフロン加工フライパン 調理

そんな時に調理しながらふと思ったのが、健康的な自然農法の野菜をテフロン加工のフライパンで調理していいもんだろうか…

先日何かの記事で「化審法(かしんほう)化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」というものを目にして、「テフロン加工のフライパンは健康を害する危険なものだから、販売中止になる流れ?」になっているという様なことが書いてあったのを思い出しました。

食べるモノだけにこだわってきたので、調理器具に関してはそんなに気にせず使用していたのですが、せっかく健康の為に自然に寄り添っているのに、調理器具をおざなりにしていては駄目ですね・・・

ということで、ご飯をつくるのに欠かせない調理器具。

その中でも化審法などで、にわかにピックアップされてきているテフロン加工の調理器具の危険性が本当かどうか・・・様々な情報を元に検証してみました!

化審法とは:人の健康を損なう恐れ又は動植物の生息・生育に支障を及ぼすおそれがある化学物質にによる環境の汚染を防止することを目的とする法律です。

そもそもテフロン加工とは

テフロン加工の調理器具は、フッ素樹脂で加工された調理器具の一種になります。

一般的には、フッ素樹脂加工よりもテフロン加工という言葉の方が浸透していますが、テフロン加工が世の中に浸透したのは、開発元のデュポン社が商品名として商標登録を行い、マーケティング戦略により社会に浸透させていったことに由来します。

現在はケマーズという会社が商標を所持していますが、このテフロン以外にも、様々なメーカーがフッ素樹に加工を施し、それぞれ異なるネーミングにより販売していますので、フッ素加工の種類としては以下のようなものもあげられます。

  • マーブルコート フッ素樹脂に大理石(マーブル)の粒子を混ぜてコーティングした物で、見た目にも鉱物の細かい点がまばらにみてとれます。
  • ダイヤモンドコート フッ素樹脂に硬度の高い人工ダイヤモンドの粉を混ぜた加工で、高い耐久性を誇っています。
  • ハードコート フッ素樹脂加工は3重構造になっていますが、トップコートにセラミックを配合して耐久性を向上させています。
  • チタンコート フッ素樹脂にチタンを混ぜた加工で、最も耐久性の高いコーティングだと言われています。

テフロン加工(フッ素樹脂加工)のメカニズム

テフロン加工は、フッ素が含まれた熱可塑性の樹脂(一般的にはフッ素樹脂)をつかってコーティングすることにより、すべりの良さや、焦げ付きなどの付着を抑えることを目的とした加工です。

調理器具に使われているフッ素樹脂の専門用語は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)と呼ばれるもので、一般的なものでいうと硬質樹脂、いわゆるプラスチックみたいなものになります。

PTFEは、プラスチックなどの硬質樹脂にくらべると科学的には安定しているのですが、高温には弱く260℃を超えると変性してしまうという欠点があります。

ステープラーは「ホッチキス」・食費包装用ラップフィルムは「サランラップ」・絆創膏は「バンドエイド」などの様に、フッ素樹脂は「テフロン」が一般化してます!固有名詞を超える商品名のパワーは偉大ですね!

皆さんご存じだとは思いますが、テフロン加工(フッ素樹脂加工)の調理器具は以下の様なものです。(事務所にころがっていたのを撮影しました。)

テフロン加工調理器具

テフロン加工調理器具の危険性

テフロン加工にどんな危険性があるか検索してみると以下の様な文章が多くでてきます。

  • 「熱でテフロン(フッ素樹脂)が溶けだすので人体に影響がある。」
  • 「身体に取り込まれた変性したテフロン(フッ素樹脂)が蓄積してしまう。」
  • 「身体にとって有害なガスが発生してしまう。」
  • 「発がん性物質が含まれている。」
  • 「未熟児が産まれる可能性が高くなる。」
  • 「免疫力が低下する。」

これらのことすべてが事実かどうかは定かではありませんので、出来る限り情報を集めながら以下にまとめてみました。

情報を元に私見(感覚的知見)によりまとめていますので、1つの参考として閲覧ください。

テフロン(フッ素樹脂)が溶けだすことで人体に影響

国際がん研究機関による評価では、テフロン(フッ素樹脂)から剥がれ落ちたコーティングの薄片を飲み込んだとしても、カラダに吸収されず体外に排出される旨の記載があり、健康を阻害することはないという発表をしています。

>>【参考資料】内閣府;食品安全委員会資料pdf<<

剥がれ落ちたと、溶けだしたではニュアンスがまったく違うのですが、公的機関のデータ等では、剥がれ落ちの記述しかなく、溶けだした際の人体に与える影響に関しては記載がありません。

公的機関以外の情報でも、フッ素樹脂が溶けだす等の記述が見当たらないので、そもそも一般家庭の火力でテフロン(フッ素樹脂)が溶けるのかどうかを検証する必要がありそうです。

溶けだした場合は、剥がれ落ちた時よりも体内吸収率はアップするはずなので、一般的な火力で溶けだすようであれば、人体に影響を与える可能性は多少ありそうです。

テフロン(フッ素樹脂)がカラダに蓄積

食品安全委員会の発表によると、フライパンなどの調理器具から高熱によって剥がれ落ちたフッ素樹脂を飲み込んでしまったとしても、カラダに吸収されず体内に蓄積されることはなく、ヒトのカラダにいかなる毒性反応も引き起こさない。また、フッ素樹脂を25%含む飼料をラットに90日間与えても有害な影響はみられなかったという記述があります。

>>【参考資料】内閣府;食品安全委員会資料pdf<<

30年以上前のデータなので、現在のテフロン加工の調理器具をそのままあてはめてよいものかは解りませんが、現状の情報をみる限り、テフロン(フッ素樹脂)が、カラダに蓄積はしないということになりそうです。

人体にとって有害なガスが発生

2014年9月に神奈川県県民局が県民から寄せられた相談に応えて、テフロン加工のフライパンについて実験報告しているので、その報告結果を抜粋してまとめます。

テフロン加工のフライパンを空焚きすると、350℃に達したあたりからガスの発生が認められ(ガスの発生は目視では感知不可。)

>>日本化学工業協会:アクティビティノートpdf<<

また、発生したガスの種類と人体への影響は以下の通りです。

  • テトラフルオロエチレン/呼吸困難
  • ヘキサフルオロプロペン/めまい・窒息
  • プロペン/めまい・眠気
  • クロロメタン/頭痛・吐き気
  • ブテン/めまい・眠気

コーティングの種類やフライパンの種類や大きさ、直火なのかIHなのかなど、様々な状況によって変わりますが、少なくとも高温になると身体に有毒なガスが発生することは、神奈川県県民局の実験により立証されているので、テフロン加工の調理器具の空焚き等は危険性が高いといえそうです。

発がん性物質が含まれている

フッ素樹脂は発がん性物質であるという情報はネットなどでよくみかけますが、国際がん研究機関によるとフッ素樹脂は「人に対する発がん性について分類出来ない。」という報告を発表しています。

>>【参考資料】内閣府;食品安全委員会資料pdf<<

しかし、EPA米環境保護局はデュポン社のテフロン製造に使われるPFOA(パーフルオロオクタン酸)の健康リスクへの報告義務違反で、同社に約18億円の罰金を科されたという過去を持ちます。

>>【情報】EWG in the News<<

「火のない所に煙は立たぬ」といわれてますが、今のところは、近年のデータ(フッ素樹脂加工製品の発がん性に関する情報)が、公的機関から正式に発表されていたないので、発がん性物質が含まれているかどうかの真偽は保留となりそうです。

未熟児が産まれる可能性が高くなる

日本国内での公的機関の発表で、テフロン加工(フッ素樹脂加工)の調理器具を使用して、未熟児や奇形児が産まれる可能性が高くなるという情報はありませんでした。

ただ、2005年にアメリカ合衆国環境保護庁(EPA)により、フッ素樹脂などには深刻な危険性があり、有毒物質は体内に蓄積し、がんの発生、未熟児、奇形児などを引き起こす可能性を示唆していた様です。

>>【情報】EWG in the News<<

この対策として2006年に世界主要フッ素化学メーカー8社(デュポン・ダイネオン・ソルベイ・アルケマ・クラリアント・BASF・旭硝子・ダイキン工業)と連携し、削減プログラムをスタートさせ、2015年までに全廃を目指すという動きもあったようです。

このことを裏付ける公的な情報は見つからなかったので、真偽の程は解りませんが、具体的な情報であることから、多少のリスクはあるのかもしれません。

免疫力が低下する

フッ素樹脂が溶けだしてカラダに蓄積することに関しては真偽が確かではありませんが、日本弗素樹脂工業会や、神奈川県県民局が公開している情報では、空焚きや高温により人体に影響のあるガスが発生することは確認されているので、このガスによって少なからず、大なり小なり免疫力が低下することはありそうです。

>>神奈川県:有機フッ素化合物に関するQ&A <<

一般的な使い方では、人によって固体差がでるレベルの免疫力低下具合だと予想されるので、健康に気をつけられている方や、元々免疫力が低い様な方など気にされている方は、テフロン加工(フッ素樹脂加工)の調理器具は避けても良いのかもしれません。

もし使用する場合は、以下のテフロン加工使用上の注意をよく読んでから使用する様にしましょう。

テフロン加工のフライパン使用上の注意

テフロン加工(フッ素樹脂)などの調理器具を使用すると、使い方によっては、少なくとも有害なガスが発生してしまい危険なので、使用上の注意は抑えておきましょう。

一般社団法人JFIA 日本弗素樹脂工業会のウェブサイトに「ふっ素樹脂取扱マニュアル」というのがアップされています。

フッ素樹脂が使われている調理器具の使用上の注意を抜粋していますので、テフロン加工の調理器具を使用する場合は、一読しておきましょう。

ふっ素樹脂加工の調理器具 調理器具には、ふっ素樹脂加工されたものが多く使用されていますが、ここで使われているふっ素樹脂は、主にPTFE、PFA です。これらの樹脂は、熱に対する安定性、化学的不活性及び非粘着性、滑り性の特性があるため、これらの樹脂を加工した調理器具ではこびりつかず、洗浄が容易な器具となります。

このふっ素樹脂加工の調理器具としては、フライパン、鍋、炊飯器、ホットプレート及 び餅つき器などがあります。その他、耐熱塗料にふっ素樹脂を配合した加工品に、ジャー ポット、グリル天板、天ぷら鍋などがあります。

調理器具の使用上の注意 PTFE の使用温度の上限は260℃です。260℃を超えますと塗膜が劣化しやすくなります。通常調理時の器具温度は150~190℃くらいであり、食用油を熱したとき、油煙が出始めるのは 200℃を超えたあたりです。これを目安にすると、通常の調理温度では十分安全であるといえます。

ふっ素樹脂加工調理器具、フライパンなどは、使用開始時に“空焼き”をしないでください。また、“空焚き(空炊き)”もしないようにしてください。“空焼き”や“空焚き”をした場合は、非常に高温となり、他のプラスチック同様に分解ガスが発生しますので、速やかに火を消し、温度を下げて換気をしてください。

また、 器具に説明されている所定の使用目的以外に使用しないようにしてください。 ふっ素樹脂加工調理器具、フライパンなどは、必ず中火にて使用してください。中火とは底に炎が触れる程度を指します。 温度調整機能のあるガス器具の場合、約250℃にて火力調整されますが、温度調整機能の無いガス器具にて、フライパンを“空焚き”したときには、ガス中火の場合、開始後 3~4 分、ガス強火の場合、開始約 2 分にてふっ素樹脂の融点に達し、危険な状態となります。“空焚き”にならないように充分注意をお願いいたします。

また、フライパン外側面でも、ふっ素樹脂の融点を超えた高温となります。さらに炎がふれる部分では、塗膜の分解が始まります。 このことから、外側面に対するふっ素樹脂加工は、工業会として推奨いたしません。

電磁調理器(IH クッキングヒータ)について電磁調理器は特殊な加熱方式のため、次のような使用上の問題点が指摘されています。電磁調理器を使用する際に最大火力で予熱や“空焚き”をすると、鍋底の温度が短時間で急激に上昇し高温になります。また、推奨されている鍋を使用しなかったり、鍋が平らでなかったりした場合には正確な温度を感知できず過熱するおそれがあります。さらに、底が薄いものや反っているフライパン、鍋を強火で予熱すると赤熱することがあり、調理器具がヒータからずれていたりすると局部的に温度が高くなることなどが報告されています。

電磁調理器には過熱防止機能やずれ感知機能がついており、安全性に配慮が払われてい ますが、安全に使用できる調理器具には材質、形状、重量などの制約がありますので、電磁調理器や調理器具の取扱説明書をよくお読みの上、正しくお使いください。 特にふっ素樹脂加工された調理器具を使用する際には、最大火力での加熱を極力避け、予熱や“空焚き”はしないでください。

一般社団法人JFIA 日本弗素樹脂工業会発行の「ふっ素樹脂取扱マニュアル」には、ふっ素樹脂に関わる29ページの情報をみることが出来るので、テフロン加工の調理器具に不安を抱いている方は、ぜひ下記サイトから「ふっ素樹脂取扱マニュアル」を読み込んでみてください。

>>日本ふっ素樹脂工業会 ふっ素樹脂取扱マニュアルはこちら<<

化審法(フッ素樹脂の危険性)調査旅

冒頭に記載した、フッ素樹脂に係る化審法について、公的機関やメーカーが情報を掲載していますが、とどのつまりテフロン加工(フッ素樹脂加工)調理器具の危険性の是非がいまいち理解しにくかったので、化審法を取り扱っている経済産業省に直接確認してみました。

ちょっとした疑問から始まった調べ物でしたが、この時点では、こんなに長い調査旅になるとは全く思いもしていませんでした・・・

ということで今回ご質問させていただいたのは以下のようなところになりました。(お忙しいところ対応ありがとうございました・・・)

  • 経済産業省 製造産業局 化学物質管理課 化学物質安全室( TEL 03-3501-0605 )
  • 経済産業省 生活製品課( TEL 03-3501-0969 )
  • 厚生労働省 化学物質管理課( TEL 050-5577-4862 )
  • 厚生労働省 化学物質対策課( TEL 03-3502-6756 )
  • 厚生労働省 医薬生活衛生局 医薬品審査管理課 化学物質安全対策室( TEL 03-3595-2298 )

まずは、化審法を制定している、経済産業省 製造産業局 化学物質管理課 化学物質安全室です。


Q 2021年10月22日に摩擦低減剤のPTFE(テフロン)が化審法の指定物質となったという情報がありますが、テフロン加工の調理器具使用で人体への悪影響があるということでしょうか?

A 経産省が公表している「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に係る化学物質の輸入通関税等について」( 詳細はこちらの14ページ~19ページに記載。)の記載の指定物質一覧に調理器具は含まれていないので、健康被害に影響はないということになります。


Q それでは、フッ素樹脂加工の調理器具を使用しても、人体への悪影響はないという認識でよろしいでしょうか?

A こちらの部署は工業製品専門なので、調理器具に関しては、生活製品課( TEL 03-3501-0969 )に連絡して、調理器具の安全性を聞いてみてはいかがでしょうか。


ということで、経済産業省 生活製品課に連絡して同様の質問を投げかけてみました。


Q 2021年10月22日に摩擦低減剤のPTFE(テフロン)が化審法の指定物質となったという情報がありますが、テフロン加工の調理器具使用で人体への悪影響があるということでしょうか?

A 海外ではフッ素樹脂加工に関する健康被害があるという情報がありますが、人体の影響があるかどうかはまだ解明されておらず、フッ素樹脂加工の調理器具について国内では特に規制されていません。人体に悪影響があるかどうかについては、今のところ規制されずに販売されているということなので、人体に影響がないということになります。10数年前にコーティング剤として使っていた物質によくないものがあって、各メーカーが自主的に使わなくなったという事例がありますが、テフロン加工そのものは今のところ問題視されていません。


担当された方の回答は、経産省内の情報ではなく、ネットで自主的に調べている情報だとおっしゃっており、きちんとしたエビデンスに則ってなかったので「きちんとしたデータやエビデンスを基に、国民の健康に関して担当している課はないのでしょうか?」という質問を投げかけたところ「厚労省 食品基準審査課に連絡してみてください。」ということでしたので、厚労省 食品基準審査課をネットで調べてみましたが、電話番号がなかったので、厚労省の代表に電話してみましたが、忙しいからでしょうか、まったく繋がらず…

仕方がないのでネットで調べていると、厚労省内の化学物質に関する化学物質管理課( TEL 050-5577-4862 )というのをみつけたので、連絡して経産省では完全に確証が得られなかったことについて確認を試みました。


Q フッ素樹脂加工の調理器具の人体への悪影響に関して経産省に連絡したところ、経産省が掲載しているPDFの第一種特定化学物質に、PTFEが指定されていないので人体への悪影響は無いと言われたのですが、実際のところいかがでしょうか?

A 指定されていなかったとしても完全には解明されていないので、人体への悪影響が無いと断言出来るものではありませんし、人体に悪影響ある可能性はあると考えています。


という内容を説明していただきました。ただ、ここは専門部署ではないので、厚生労働省 化学物質対策課( TEL 03-3502-6756 )に確認する様に促されましたので、そちらに連絡してみました。

この時点で既にたらい回し状態になっていたので、質問の説明を丁寧にするのが億劫になってきて単純な質問に切り替えました・・・


Q ふっ素樹脂加工の調理器具の危険性についてお伺いしたいのですが…

A 労働局か労働基準監督署に連絡してください。


Q 調理器具の危険性に関して、労働局や労働基準監督署が応えてくれるんですか?

A はい。そうです。お住まいはどちらですか?お住いの地域の労働局の番号をお伝えします。


もう、ここまでくるとコントですね…

労働局や労働基準監督署に連絡しても、絶対にテフロン加工調理器具の危険性は解明されないという確信があったので状況を丁寧に説明したところ、厚労省の医薬生活衛生局 医薬品審査管理課 化学物質安全対策室( TEL 03-3595-2298 )に連絡してくださいということでしたので、連絡してみました。

最初に経産省に連絡してから2時間が経過していたので、これで駄目なら諦めようと決意して電話してみました!


Q 経産省など色んな部署へ連絡して、数珠つなぎ的にここに辿り着いたのですが、2021年10月に化審法でPTFE(テフロン)が指定されたという情報がありますが、テフロンの人体への悪影響に関しては、こちらで応えていただけますでしょう?

A 化審法でもあるように、フッ素加工物が使用禁止になったのは間違いないことで、こちらに関しては、海外で試験された科学的根拠のあるものなので、経産省のウェブサイトに掲載してある物質に関しては、人体に悪影響を及ぼすものになりますが、PTFE(テフロン)に関しては、掲載されていないので毒性があるとはいえません。


Q それでは化審法に制定のあるPFOAに関しては、人体に悪影響を及ぼすのでしょうか?

A PFOAに関しては記載があるので、人体に悪影響を及ぼすものになります。


Q あるフッ素科学メーカーのHPに「PTFEにおいて意図的なPFOAの使用はありませんが、製造過程でPFOAが非意図的に副生することが確認されております。」と掲載されていますが、毒性のあるPFOAが少なからず含有されているとなれば、PTFEに関しても人体に悪影響を及ぼすものになるのではないでしょうか?

(この質問を投げかけると、確認の為に5分間の保留がありました。お忙しいところ、お手数をお掛けしました…)

A こちらに関しては、製造過程でどうしても入ってしまう場合があり、各メーカーは、PFOAがどの程度入らない様にしているかを報告する義務があります。


Q PFOAがどの程度含有されていると販売禁止になるなどの基準はあるのでしょうか?

A 含有基準などの明確な規定は定められていません。専門家の意見を聞きながら適宜決めています。


Q PFOAは毒性があるものと認定されているのに、コーティング過程で混入した場合の規制がないのに販売しているのは、安全といえるのでしょうか?

A PFOAに毒性はありますが、PFOAがある程度抑えらえていたら安全だという認識で安全性が認められる範囲内での販売となっています。


Q 毒性のあるPFOAが含まれているのであれば、経産省で伝えられた「テフロンは指定されていないので人体に悪影響を与えない。」というのは、誤った情報になるのではないでしょうか?

A 現在は安全と認めた範囲内で許容しております。その上で使用するかどうかは、消費者の皆さんに委ねているところです。


Q ちなみに、PFOAの人体への悪影響はどの様なものがあるのでしょうか?

A 厚生労働省の「PFOAとその塩及びPFOA関連物質の有害性の概要」に記載されていることになります。(詳細はこちらの1ページ~3ページに記載。


厚労省の医薬生活衛生局 医薬品審査管理課 化学物質安全対策室の方は、とても懇切丁寧に応えてくださったので感謝しかないですが、ついつい悪戯心がでてきまして、PFOA関連物質の有害性の概要をみながら「テフロン加工の調理器具には、これらの人体への悪影響の可能性があるということですよね?」と、いたずら質問したら、苦笑いされながら「必ずしもということでは… 」と言われていたので「言えないですよね(笑)」と、いって丁重にお礼を言ってから電話を切りました!お応えいただき本当にありがとうございました!

PFOAの有害性抜粋

上記にあるPFOAに関する有害性の概要の中にあるヒトへのリスクを抜粋すると以下のものになります。

  • 精巣がん
  • 腎臓がん
  • 女性の生殖帯に関連する影響
  • 胎児の心的発達、神経発達への影響
  • ワクチン接種後の抗体反応の低下

ヒトに関しては、上記の内容でしたが、魚や鶏などにもたくさんの悪影響があるとされています。

これらの情報をみていると、PTFE(テフロン)には、上述してある

  • 「発がん性物質が含まれている。」
  • 「未熟児が産まれる可能性が高くなる。」
  • 「免疫力が低下する。」

リスクはないとされているものの、PTFEに含有されているPFOAによって、がんや未熟児、免疫力低下のリスクは少しばかりはあるということが言えそうです。

まとめ

2021年に制定された化審法により、テフロン加工などのフッ素樹脂加工調理器具の危険性がにわかに浸透しています。

健康に気をつけられている方や、私たちの様に自然派の方は、特に口からいれるものに敏感になってしまいますので、なるべく正しい情報を得たいものですが、ネット上では情報が交錯していてなかなか正しい情報を分別するのが難しいので、今回は、化審法担当の経産省や厚労省に連絡して危険性の是非を確認してみました。

各省庁の見解では、PTFE(テフロン)に危険性は無いということなので、正しい使用方法を守っていれば、ある程度の安心感はあるといえます。

ただ、PFOAが含まれており、且つ毒性があることが確認されていることから、少量であったとしても毒性があるものを使いたくないという方は、使用を控えた方がいいかもしれません。

厚労省の方もおっしゃっていましたが、自己責任において使用・不使用を決められるといいのではないでしょうか。

おまけ

テフロン加工 危険 おまけ

色んな情報を調べたり聞いたりしてみましたが、テフロン加工(フッ素樹脂加工)の調理器具の是非は確証には至りませんでした。

ただ、色々調べていくうちに化学よりも極力自然に寄り添っていきたい・・・ということで、少しこだわった調理器具を購入して使用する様になりました。

最後に最近愛用したはじめた私の調理器具を少しだけ紹介しておくので、自然派調理器具を選ぶときの何かの参考にしてみてください!

宮崎製作所のフライパン

宮崎製作所 フライパン

洋食屋さんなどでみかける鉄製のフライパンが欲しかったのですが、手入れがだいぶ大変ということをよく聞いていたので、ちょっと妥協して購入したものになります。

テフロン加工に比べると焦げ付きやすいので多少の失敗をしていましたが、慣れてくるとフライパンとして十分な効力を発揮してくれます。

宮崎製作所さんには、色々なこだわりがある様なので、以下のサイトを参考にしてみてください。

>>宮崎製作所のウェブサイト<<

北陸アルミニウムの鍋

北陸アルミニウム 鍋

銅製の大きい鍋が欲しかったのですが、かなりの高額になるので、アルミ製の雪平鍋になります。

調理器具制作で90年の歴史のある鋳物です。

自社工場で一貫生産されているので、一定の安心感の下で使用することが可能です。しっかりした使い心地で値段的にも手ごろでおすすめです。

以下のサイトに諸々の情報が掲載されているので、参考にしてみてください。

>>北陸アルミニウムのウェブサイト<<

お知らせとして、上記サイトに「ふっ素樹脂塗料にPFOAは使用しておりません。」という記述があるので、やはりPFOAには注意が必要そうですね!

調理器具には相性や好みもあると思うので、PFOAが含有していないかを注意しながら、是非とも色々調べてから購入してみてください。

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n+編集長

やまだ

ライター

山口県出身で、現在は大阪・山口を拠点に“健康”と“教育”をテーマに、トレーニングジム・健康サロン・児童福祉施設・自然農畑を運営。 自身の身体不調をきっかけに現代医療に見切りをつけ、補完療法や自然療法を軸として「効果的」「簡単」「安価」をキーワードに、誰でも気軽に出来る健康実践法を追求し続けている。心許せる信頼出来る各分野のプロフェッショナルにサポートしてもらいながら「人生おもいっきり愉しむ計画!」を稼働中。