マテ貝の巣に塩をかけるとでてくるのは何故か?【獲り方・食べ方を動画で紹介】

子どもの頃に潮干狩りをした思い出は記憶に残っている方が多く、私もその1人です。(潮干狩りをしていた頃の思い出は、楽しかったので鮮明に覚えています。)

そんな潮干狩り、数年前に息子を連れて30年ぶりにアサリの潮干狩りにでかけたのですが、その時に行った潮干狩りスポットは入場規制があったり、獲っていい場所と、そうでない場所が区分けされていたり、入場料から各種施設使用料、レンタル品など、なんでもかんでもお金が必要で、小さい頃に地元で潮干狩りをしていた頃と比べると、潮干狩りがまったく別物になっていました・・・

たくさんお金をかけたのにも関わらず、且つ3時間以上時間をかけたのにアサリが3匹しか獲れず、(周りの方もそんな感じでした。)後半はアサリを探すのを諦めて、子どもと砂山をつくって遊んだりしていました。

潮干狩り

せっかくアサリ獲りにきたのに、3匹しか成果がないのは味気なく、しぶしぶ施設内の売店でアサリを買う羽目に・・・

子どもに自然体験をさせたくてきたのに、世の中の商売の雰囲気を体験させる羽目になるとは思ってもみませんでした!

そんなもどかしい思いを抱いて日々を過ごしている中で、子どもと「クレヨンしんちゃん」を観ている時に、野原一家が潮干狩りでマテ貝を獲りにいっている回があり、その時はマテ貝というものがなんなのか知りませんでしたが、塩を振りかけたらでてくるところが面白そうで、早速マテ貝獲りに行くことに。

地元のマテ貝スポットに行ったのですが、入場料も何もなく、もちろん人もおらず、マテ貝が面白い様に獲れます。

全部は食べられないのでそこまでは獲らなかったのですが、恐らく1時間で100匹は余裕で獲れるペースです。

そんなマテ貝獲りをしている時に、ふと「なんで塩を振りかけると、マテ貝はでてくるのだろう。」という疑問が湧いてきたので、その理由を調べてみることにしました。

マテ貝の潮干狩りは、子どもの自然体験や、潮干狩りそのものを楽しむこと、アサリ以上に濃厚なエキスがあり、食べても美味しいことなどから、ぜひ色んな方に体験してもらいたいことです。

マテ貝の基礎知識や、なんで塩をかけたらでてくるかなど、ワンランク上の情報をゲットして、ぜひ子ども達と楽しいひと時を満喫していきましょう。

マテ貝とはどんな貝?

マテ貝 塩 キャッチアップ

マテ貝が塩を振りかけてくることによってでてくる理由を知る前に、まずはマテ貝どんな貝なのかを簡単にみておきましょう。

マテ貝はいわゆる二枚貝でマテ貝科に属し、名前の由来は昔のお侍さんの腰刀の目手差(めてざし)に形が似ていることから、この名前がつきました。(目手差とネットで検索すると写真が閲覧できますが、本当に形がマテ貝とそっくりですよ。)

関東から南のおだやかな内海の砂浜に主に生息していて、西日本の方が食用として盛んです。

マテ貝の形態

マテ貝は細長い形の薄い殻を持っていて(手でも簡単にポキッとおれるくらいの薄さです。)成長していくと大体10㎝位までになり、基本的には、砂の中の数10cm~1m程度の深さに生息しながら、プランクトンを食べて生きています。

マテ貝の旬

マテ貝は産地によって獲れる時期に若干の差がありますが、基本的には通年漁獲可能な貝です。

旬については、はっきりと定まっていないようで諸説ありますが、秋ごろから春頃が旬になっているようです。

マテ貝の味や食感

マテ貝は貝の中でも独特なカタチをしている貝の1つですが、独特なクセもなく、味としてはアサリに近い味です。(アサリよりも旨味が強い気がします。)

アサリの場合は、砂抜きに時間がかかって大変ですが、マテ貝は砂抜きしなくてもほとんど砂がなく、食べ方はバター炒めやニンニクとオリーブオイルで炒めるなど、簡単な調理法で美味しく食べることが可能です。

ボンゴレビアンコなどパスタの具材としてもおススメで、個人的にはアサリ以上に重宝している貝になります。

マテ貝の巣穴に塩をまくとでてくるのはなぜ?

マテ貝 塩②

ここからが本題になりますが、マテ貝は巣穴に塩を振り込むことによって、マテ貝が2~4cmくらい飛び出してくるので、それをスッと引っこ抜くことで漁獲します。

すごく簡単に漁獲できるので楽しいのですが、なぜ塩をまくと巣穴から飛び出してくるのでしょうか。(というか、そもそも誰がこんな方法を編みだしたのでしょうか。色々調べてみましたが、この方法論の起源についてはどこにも見当たりませんでした。残念。)

調べたところ諸説あったので、それぞれ検証してみましょう。

満潮と勘違いしてでてくる

ネットでは「満潮と勘違いしてでてくる」という説が高頻度で登場します。

マテ貝はプランクトンを主食としているので、塩が満ちてくると巣穴から少しでてきて、給水管をだしてプランクトンを吸い込んで食べます。

巣穴に塩を降ることによって、満潮と勘違いしてプランクトンを食べるためにでてくるという説明がネット上ではなされていますが、塩と海水を間違えるものなのでしょうか。いくら貝といえど、それくらいの判別は出来そうな気がします。

満潮時にプランクトンを食べるために巣穴からカラダをだすのは少しだけなのですが、巣穴に塩を振ったら、半分以上カラダを持ち上げるので、満潮と勘違いするというのは、ちょっと疑問が残りますね!

巣穴環境が悪くなって引越しするため

貝類は他の魚介類に比べて塩分濃度に敏感で、特にマテ貝は塩分濃度にかなり敏感とのこと。

塩を巣穴にいれると、砂に染みこんでいる海水の塩分濃度が急上昇するので、それに驚いてでてくるといったところでしょうか。

マテ貝は他の貝と違って頻繁に移動せずに、同じ巣穴にいることが多いと言われていますが、塩分濃度の変化など、巣穴環境が悪くなると移動するといわれています。

塩をいれることによって巣穴環境が悪くなり、引越しする為にでてくるというのは、十分あり得そうな説ですね!

カラダの水分が奪われてしまう

生き物のカラダには必ず水分が含まれていて、人間でも平均60%~70%は水分だといわれています。

これに対してナメクジは約90%が水分ですが、マテ貝やアサリなども約85%が水分となっています。

ナメクジに塩をかけたら、浸透圧によってカラダの水分がどんどん奪われて縮んでいきますが、水分量が多く、人間の様に何層にもなった強固な皮膚がない貝も同じように、塩をかけるとカラダの水分を奪われてしまうので、マテ貝にも十分あてはまりそうです。

カラダの水分が奪われてしまい、生命の危機を脱するために巣穴からでていくという説も十分あり得そうですね!

上記3つの検証をまとめると、満潮と勘違いしてでてくるマテ貝も中にはいるかもしれませんが、基本的には、塩をかけることにより、巣穴周りの海水の塩分濃度があがり、浸透圧によってカラダの水分が奪われて、生息が不可能になるので、巣穴から退避するためにでてくる。

恐らくこういったことが、塩をまくとマテ貝がでてくる理由であると思われます。

マテ貝を漁獲する

マテ貝 潮干狩りポイント

マテ貝を実際に漁獲するのに1番大切なことは、マテ貝が獲れるスポットを探すことです。

「マテ貝が採れる場所」などのキーワードを検索すると、各地の漁獲スポットがでてくるので、それを参考にして探したり、西日本の内海の砂浜がある様なところだと、近所の方がマテ貝スポットを知っている可能性が高いので、聞き込みを行うのかもいいかもしれません。

どこにでもいる訳ではなく、同じような砂浜でもまったくいない場合もあるので、生息しているスポットをきちんと調べてから行く様にしましょう。

マテ貝を漁獲するための3種の神器

マテ貝 漁獲 3種

基本的にはアサリなどと同じようなスタンスで気軽に獲りにいけますが、絶対にあった方がいいアイテムは以下の3つです。

  •  マテ貝がでてくるために必須です。
  • 鍬(くわ) マテ貝の巣穴を広範囲で容易に探すことが可能です。
  • バケツ マテ貝が獲れるスポットでは短時間で大量に漁獲が可能なのでバケツは必須です。

通常の潮干狩りスタイルでも獲れることは獲れるのですが、効率などを考えると、塩と鍬は絶対にあった方がいいと思います。

マテ貝を漁獲する時のポイント

マテ貝 いそうなポイント

動画を観てもらうのが1番解りやすいのですが、マテ貝漁獲のポイントとしては、

  • 鍬で砂の表面2~3センチ程度を削り取る
  • マテ貝がでてきた瞬間を狙ってつまんで引き抜く

マテ貝の巣穴を探すために、砂の表面を削り取りますが、深く掘り過ぎるとマテ貝を傷つけたり、巣穴をみつけにくい可能性があるため、薄く削り取ることを意識しましょう。

獲る場所などによって異なるかもしれませんが、砂浜に少しだけ藻がある様な場所を削り取ると、巣穴が多くマテ貝が獲りやすい印象です!

マテ貝と獲る時はでてきた瞬間(マテ貝があがってくる力を利用して。)に引き抜くと、簡単にスッと獲れます。

タイミングを誤ったり警戒されると、抵抗されて引き抜けなくなってしまい、無理矢理引っ張ると身が切れてしまいます。

もし抵抗されて、引き抜けなくなったら、つまんだままの状態でキープしておくと、数十秒したらフッと抵抗が弱まる瞬間があるので、その瞬間に引き抜くと簡単に獲れるので、無理に引っこ抜かない様にしましょう。稀にいくら待っても抵抗が収まらない場合がありますが、そんな場合は強硬手段として、マテ貝ごと穴を掘る感じですくいあげるのもありです。

ポイントを意識しながら、以下の動画を観ていただくと解りやすいので、1度ぜひご覧ください。

マテ貝を食べてみよう

マテ貝 実食

マテ貝はアサリと同じような感じと捉えると解りやすいと思います。

特におすすめなのは、バターソテーです。濃厚なエキスがしっかりでるので、パスタに絡めても美味です。

でもやっぱり獲り立てを直ぐにそのまま自然の中で調理して食べるのがやっぱり最高で、調味料は一切なしで、水と収穫したてのニラだけで美味しく食べれられちゃいます。ワイルドな調理法で、男の料理ですが、以下の動画をご覧ください。

まとめ

マテ貝 引き抜き 2匹

最近の子ども達は、WEBやタブレットなどテクノロジー関係には凄く詳しい反面、子どもによっては、野菜はスーパーで出来ているなど勘違いしている子も多い様です。

九州のとある小学校では、小学校1年生時にひよこを飼って、6年間育てて最後に絞めて、皆で食べるという教育がある様で、これには賛否両論ありますが、食物の大切さを知るには大切なことだと思います。

そこまでの経験は子どものトラウマになる可能性もあるのですが、潮干狩りならその様な不安もほとんどありません。

自然の中で貝はどの様に獲れるのかとか、どんなことがあって私たちの食生活は成り立っているのかを知るちょうどいい経験が潮干狩りだと思います。

気軽に楽しく美味しくを味わえる「マテ貝の潮干狩り」ぜひ、子どもさん達と一緒に経験してみてくださいね。

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n+編集長

やまだ

ライター

山口県出身で、現在は大阪・山口を拠点に“健康”と“教育”をテーマに、トレーニングジム・健康サロン・児童福祉施設・自然農畑を運営。 自身の身体不調をきっかけに現代医療に見切りをつけ、補完療法や自然療法を軸として「効果的」「簡単」「安価」をキーワードに、誰でも気軽に出来る健康実践法を追求し続けている。心許せる信頼出来る各分野のプロフェッショナルにサポートしてもらいながら「人生おもいっきり愉しむ計画!」を稼働中。