n+編集長
やまだ
ライター
山口県出身で、現在は大阪・山口を拠点に“健康”と“教育”をテーマに、トレーニングジム・健康サロン・児童福祉施設・自然農畑を運営。 自身の身体不調をきっかけに現代医療に見切りをつけ、補完療法や自然療法を軸として「効果的」「簡単」「安価」をキーワードに、誰でも気軽に出来る健康実践法を追求し続けている。心許せる信頼出来る各分野のプロフェッショナルにサポートしてもらいながら「人生おもいっきり愉しむ計画!」を稼働中。
土の状態が悪く、農作物や植物が上手く育たない場合は、腐葉土を使うことで良い成果を得られることも多々あります。
堆肥や腐葉土など、土をよくする為にはいくつかのモノがありますが、今回は腐葉土の特性や実際の使い方などを掘り下げてご紹介していきます。
目次
腐葉土が備えている特性は、主に
の4点で、腐葉土自体にはそれほど栄養素は含まれていませんが、有機物を分解する能力の高い微生物がたくさん含まれているので、土と混ぜることによって土壌の微生物が増加していき、落ち葉や枯れ葉などの有機物を分解する際に生成される養分で土壌が肥えていくという効果が期待出来ます。
腐葉土を使った場合のメリットとしては、以下の様なものがあげられます。
腐葉土を使った時の4つのメリットを理解した上で活用していくと効果的です!
腐葉土を肥料と勘違いすることが多いのですが、腐葉土と肥料は似て非なるものです。
肥料と呼ばれるものには、植物が生育するための栄養素が含まれていて、特に
が豊富ですが、腐葉土にはこれらの栄養素はほとんど含まれておらず、一般的に1%未満の含有率といわれています。
ただ、自然に出来た腐葉土には、窒素の含有量がそこそこ含まれているという説もあり、リン酸やカリウムに関しても、ミミズや小動物の糞などによって補われることもある様です。
基本的には、腐葉土を栄養素を補給するものというよりも、土壌の栄養価を高めるものという認識を持ちましょう!
腐葉土の特性を理解しておけば、色々な場面で腐葉土を活用することが出来ます。
今回は、一般的に活用出来そうな用途を解説していきます。
腐葉土は土壌改良剤のような役割なので、痩せた土壌を肥沃な土壌に改良するために使えます。
畑や畝をつくる時は土壌がまだ肥えていない可能性が高いので、畝をつくる時に、土をただ盛るだけではなくて、その土に腐葉土を混ぜこんで盛っていくと土壌が肥えやすくなります。
この時に気をつけたいのが、腐葉土を混ぜすぎてしまわないこと。
土壌の状態にもよりますが、全体の土に対する腐葉土の割合が30%未満にしておくことがポイントです。
腐葉土が多すぎると通気性や排水性が高くなりすぎて、微生物が上手く増えずに、逆効果になる場合がありますので、注意してください。
畑や畝が完成して実際に野菜を植えた状態までいくと、途中で腐葉土を混ぜこむのは困難になってきます。
腐葉土の土壌改良効果がうまくいって、農作物がうまく成長していれば腐葉土をさらに使う必要はないですが、夏や冬など農作物に厳しい環境になって育ちが悪い場合などに土の表面を腐葉土で3cmくらい覆ってやると、暑さ対策や防寒対策になり、土壌が適度な温度に保てるようになるのでおすすめです。
元気な木がたくさんある場所のイメージは森林や山中と答える方が多いかと思いますが、実際に森林や山中は自然の状態であり、枯れ葉を掃いて掃除したりする人もいないので、毎年毎年腐葉土が自然にバランスよくサイクルしている状態です。
庭木の場合は、掃除や手入れが入るので、いくら人工的な薬品を使っていなかったとしても自然のサイクルから少し外れてしまうことが多いので、木の大きさにもよりますが、木から半径0.5m~1.5mの間を軽く20cm~30cm程掘り返して、そこに腐葉土を混ぜこんでいきましょう。
土が硬くて掘れない場合は、掘るのが大変な作業になりますが、逆にそういう土の状態だからこそ腐葉土を混ぜこむのが重要になってきます。
花壇づくりの場合も基本的には畑づくりや庭木づくりの腐葉土の使い方と同じです。
花壇をつくる場所を決めたら、40cm~50cm位の深さを目安に掘り起こして、そこに腐葉土を混ぜこんでいきます。
畑と同じように土壌に対する腐葉土の含有率が30%未満を目指して混ぜこんでいきます。
感覚的なものですが、花壇は畑の畝に比べると土壌に水が溜まりやすい傾向にあるので、水はけをアップさせる意味で、気持ち多めに腐葉土を混ぜこむといいかもしれません。
花壇によるので臨機応変に腐葉土の含有率を調整してみてください。
植物を育て、枯れた状態でそのまま放置されているプランターをよくみかけますが、この様な状態の土も腐葉土で蘇らせることが可能です。
方法はとっても簡単で、プランターの土を一旦すべて取り出してプランターの3分の2程の分量を戻します。
そこへ元の土の量の3分の1の分量の腐葉土をいれて掻き混ぜ込んでいき、しっかり混ざった状態で水を適量加えます。
水を適度にやりながら3日間くらい放置していると、植物が育つことが可能な土へと蘇ってくれます。
上記の腐葉土の使い方は一般的な使い方をまとめたものですが、私達が営む「むら」では腐葉土づくりはするけど、あまり積極的に使っていこうっていう感じではありません。
新たに畝をつくる時に多少使ったりしますが、それ以外では土がちょっと足りないかなと思った時に補充するくらいです。
そもそもきちんと腐葉土をつくっているというよりは、刈った草や落ち葉や木くずをまとめて長い月日置いていたら、自然に腐葉土が出来ていているという状態で微生物が有機物を分解して土が肥えたから、そこに畝をつくって畑にするというサイクルで畑を広げていっています。
「自然に出来るものは、自然に任せる」これが基本の考え方ということです。
特に自然農法の場合は過剰に手をかけずに、出来る限り自然に委ねることが大切なので、気合をいれすぎないのも1つの大切なポイントになります。
因みに「むら」では、木くずを盛って2年くらい何もせずに放置していただけで最高の腐葉土が完成しました。
ふかふかな土で、スコップでちょっと掘っただけで、カブトムシの幼虫がゴロゴロでてきます。
この様な状態はよく肥えた土が多い山中や森林の土中の状態に限りなく近く、余った種を適当に撒いただけなのに気づいたら通常よりも大きな立派な野菜が勝手に育っていたということもよくあります。
腐葉土を農業に活用するのにポイントや型がありますが、自然に任せていたら勝手に凄いことになるのも自然農法の醍醐味の1つで、逆に腐葉土の使い方はこうでないといけないということに縛られ過ぎてしまうと、上手くいかないことも多々あります。
ある程度の基本を学んだ上で、気楽にやっていきながら、環境にあった“自分流”を探していくのがおすすめです!
農作物を育てていく過程で腐葉土が絶対必要かといえばそうでもありませんし、自然農法家と言われる方々は腐葉土に頼らない方も結構いらっしゃいます。
プロの自然農法家さん達は、土づくりのプロフェッショナルなのでしっかりと年月をかけて、畝や畑の土を農作物が育つ状態まで肥えさせコントロールされています。
この様な状態であれば、わざわざ腐葉土をつくってなにかをする必要はないので、必ずしも腐葉土が必要ということはありません。
ただ、これから農業を始めようという場合や化学肥料を使わずに、自然農法で農作物を育てたい場合は腐葉土を活用しないと農作物がうまく育たない場合も多々ありますし、農作物を育て続けていたのに突然土の状態が変化して農作物がうまく育たなくこともあります。
その様な場合に備えて
を改善してくれる、土壌改良剤として腐葉土を準備しておくと安心です。
腐葉土は絶対に必要というわけではないですが、自然は何が起きるか解らないので、なにかあった時の為に準備しておくこと、リスクヘッジとしての必要性は非常に高いといえます。
腐葉土を土壌改良剤として活用する場合は、土に対しての割合20%~30%くらいの分量が目安になります。
畑の大きさや花壇の大きさなどによって異なるので、ある程度感覚になりますが、その使いたい用途の3割くらいの分量を準備していれば十分です。
腐葉土をつかう意図によって変わりますが、基本的には既存の土に混ぜこんで使うことが多く、しっかりと混ぜこんだ方が腐葉土の特性である
を高めることができます。
混ぜこむ以外にも腐葉土は温度を保ったり乾燥を防いでくれるマルチング材としても活用できるので、その様な使用用途の場合は、既存の土に混ぜこまずに3cmくらい腐葉土で覆うだけで大丈夫です。
腐葉土がうまく育たない場合に考えられることは「有機物が分解されていない」「腐敗菌やカビが生える」になります。
有機物が分解されていない場合は、水分不足の可能性が高いので有機物が乾燥しない様に湿度を保てる状態をつくりましょう。
これとは逆に、腐敗菌やカビが生える場合は水分が多すぎる可能性が高いので、水はけの確認をしたり、落ち葉などの有機物をいったん天日干しにするなど乾燥させましょう。
腐葉土づくりを失敗しないためには、土に適度な水分が含まれているかに気をつけながら空気を循環させるということがポイントになるので、その2点に着目して腐葉土を育てていきましょう。
腐葉土の作り方に関しては、以下で詳しく紹介していますので、ぜひそちらを参考にしてみてください。
ネット検索などで「腐葉土に虫が湧く」という情報を調べると、腐葉土に虫が湧いて困っている方のSOSがでてきます。
虫が湧いて困っている方の悲痛な叫びを読んでいると、市販の腐葉土を使っている方がほとんどなので、市販されているものにはクオリティの低い腐葉土が結構混ざっている可能性が高いということを念頭に置いておきましょう。
そして、市販の腐葉土をつかう場合は、しっかりと調べて吟味してからつかう様にしましょう。
市販のもの、自分でつくったものを問わず、腐葉土に湧きやすい虫は…
などになります。虫が湧く原因は「元から虫の卵が混入していた」「水はけの悪い環境を求めて虫が卵を産んだ」の2つが考えられます。
最初から虫の卵が混入していた場合は腐葉土をつくる課程で適切なつくり方をしていなかった可能性が高いので、あまり良い腐葉土ではない傾向にありますし、市販の腐葉土を購入した場合は、袋詰めの前に殺虫することが多いので、業者さんの殺虫不足ということも考えられます。
そもそも私的に殺虫剤を撒かれた腐葉土は使いたくはないですが…
後者の水はけの悪い環境を求めて虫が卵を産むことは、市販のものであろうと自分でつくったものであろうとよくあることです。
虫が湧くことを回避するのに、まず気をつけないといけないことは「水はけを良くする」ことが大切です。
いくら水はけに気をつけていても、梅雨時期など雨が降り続けたりすると、どうしても虫が湧きやすくなってしまいます。
そんな腐葉土に虫が発生したしまった時の対処法をそれぞれみていきましょう。
ヤスデ(ムカデ)は見た目が気持ち悪かったり、身を護るために臭いを発生させるので、害虫として勘違いしやすいのですが、肉食でクモやゴキブリを好んで食べるので、ヤスデ(ムカデ)が発生したからといって、農作物やガーデニングに害を与えることはほとんどありません。
ただ、噛まれるとちょっと痛いので、作業の妨げになる場合は、腐葉土から湿気を逃したり、可能であれば5時間くらい水没させると駆除が可能です。
ナメクジは、白菜やレタスなどの葉物から、マリーゴールドやパンジーなどの花まで、色々なモノを食べてしまうので駆除が必要な害虫になります。
少数のナメクジであれば、割りばしでつまんで容器に集めて熱湯をかけると効果的に死滅できますが、大量発生した場合は、湿度が高かったり日光に当たらない場所に腐葉土があれば、腐葉土を数時間日光にさらすなどして土を乾燥をさせましょう。
腐葉土が多すぎて難しい場合は、ナメクジはツバキを嫌う傾向があるので、ツバキの実や葉を細かく刻んでばら撒いておくと効果的です。
観葉植物や農作物に発生するハエは腐葉土を餌としていて、さらには腐葉土に卵を産みつけるので、なかなか厄介な害虫です。
一度発生すると駆除するのがなかなか大変なので、発生させない様に予防することを心がけましょう。
発生してしまったら、土の表面2~3cmを取り除き、しっかり乾燥した土を被せたり、赤玉土を上から被せると効果的です。
木酢液を散布するのも1つの手ですが、農作物に悪影響を与える可能性もあるので、出来れば土を乾燥させるなどで対処していきましょう。
トビムシは枯れた植物や菌類を主食として、人を噛んだりすることもないので、ほっておいてもいい虫ですが、大量に発生しやすい上にぴょんぴょんと飛び回るので、不快害虫の位置づけにいます。
土壌の分解を促進してくれるので、畑などであれば、出来ればほっておくことをおすすめします。
大量発生しやすい虫でもあるので駆除する場合は、とにかく暗くてジメジメした環境を好む特性を逆手にとり、日差しと乾燥や風通しをよくする工夫をして対処していきましょう。
畑の場合は気にしなくてもいいですが、ベランダ等に置いている鉢などに発生すると少し厄介なのがアリです。
アリの巣が鉢の中にある場合は、半日から1日くらい鉢ごと水没させるといいでしょう。
もしくは、鉢の中の土を全て入れ替えてしまうというのも効果的です。
薬剤による虫の駆除方法もあるのですが、私達は薬剤をつかった虫の駆除が良いとは考えてないので、薬剤を使った虫の駆除方法は省略しています!
腐葉土と堆肥は似て非なるものですが、植物や農作物の成長を促すという点は同じです。
堆肥は土を肥沃にする目的で使いますが、腐葉土は土の
の改善が目的ですので、土の状態をみながら、腐葉土の特性に当てはまる場合に腐葉土を使っていくのが腐葉土の使い方の基本です。
自然農法を行う場合は、なにかあった時のアイテムという意味合いで腐葉土を準備しておくと無難なので、土地が余っている場合はぜひ腐葉土をつくってみてください。
n+編集長
やまだ
ライター
山口県出身で、現在は大阪・山口を拠点に“健康”と“教育”をテーマに、トレーニングジム・健康サロン・児童福祉施設・自然農畑を運営。 自身の身体不調をきっかけに現代医療に見切りをつけ、補完療法や自然療法を軸として「効果的」「簡単」「安価」をキーワードに、誰でも気軽に出来る健康実践法を追求し続けている。心許せる信頼出来る各分野のプロフェッショナルにサポートしてもらいながら「人生おもいっきり愉しむ計画!」を稼働中。