水はけが悪い畑の改良方法!元田んぼを楽しみながら治水工事!

水はけが悪い畑で野菜をつくろうとしてもなかなかうまくいきません。

まとまった雨が降る度に畑がべちゃべちゃで水没してしまうような環境では、農作物が根くさりをおこしたり、土が悪くなってしまったり。

いい野菜をつくるには “良い土” が必要ですから、水はけが良い畑というのは、いい野菜をつくる必須条件だといえます。

今私たちは、元々田んぼだった土地に3メートル級のセイタカアワダチソウがびっしりと生息していた土地の草刈りを行って、そこに自然農畑をつくろうと挑戦しているところですが、元々田んぼだったこともあり、水はけがもの凄く悪い環境です。

田んぼは水が流れ込みやすい形状になっているので、水はけの悪いタイプにもよりますが、元々田んぼだった土地の水はけの良さに成功すれば、大抵の場所の水はけはよくなるはずです。

実体験を交えながら、水はけの悪い畑の解消法をご紹介していきますので、ぜひ何かの参考にしてみてください。

水はけが悪い原因

水はけが悪い原因

どんなに水はけがよいといわれる畑でも、近年流行りのゲリラ豪雨(今後ゲリラ豪雨が少なくなって欲しいと願うばかりですが)や台風などによる大雨が降れば、畑はぬかるんでしまいます。

そんな中で理想的な水はけがよい畑の基準は、雨が降りやんでから24時間後に畑での作業が再開できる畑です。

もし、そのタイミングで畑での作業が再開出来ないのであれば、水はけをよくする作業が必要になってきますが、まずは水はけが悪い原因にはどんなものがあるかを探っていきましょう。

下層部分の緻密化(ちみつか)

畑の位置が窪んだ地形に位置していたり、傾斜の末端部分になっている時を除いて、水はけが悪い原因の多くが下層部分の緻密化による原因になります。

緻密化を簡単に説明すると、水が通る隙間がないということで、多くある事例が土の層の下に、粘土質の土の層ができてしまっています。

この粘土層のおかげで、その下の砂で出来た層まで水が浸透していかないので、表層部分の土の層に水が溜まり、いわゆる水はけの悪い土地になってしまっているのです。

シャベルやスコップなどで、30cm~60cmくらい掘り起こした時に、粘土層の様な土がでてくると、下層部分が緻密化している可能性が高いということになります!

土地の形状が原因

下層部分の緻密化がない場合でも、水はけが悪い土地は存在します。

その場合は、土地の形状に原因があることが多く、土地にまったく傾斜がなく水平であったり、元々田んぼだったりなど、周りの水が流れ込みやすくなっている土地になっています。

家を建てた時などに、庭やバルコニーの整地を行うことがあり、庭やバルコニーはいっけん水平にみえますが、1%程度の水勾配がつくられていて、目視では解らない程度ですが、実はちゃんと水が流れる様になっているのです。

水はけが悪い畑などは、この様な1%の傾斜もないくらい水平になっているので、水はけが悪く水が溜まりやすい環境になっていることも多くあります。

下層部分の緻密化が原因で水はけが悪い時の対処法

下層部分の緻密化が原因の場合は、下図の様な粘土層をどうにかしないといけません。

一般的な対処法では、かなりの労力がかかりますが、いわゆる耕すということをすれば、土の層に隙間が出来るので下層の砂層まで水が浸透しやすくなり、水はけがよくなります。

この時に気をつけなければならないことは、粘土層までしっかりと耕すことです。表面の土の層だけ耕しても、結局緻密化が高い粘土層が残ってしまうので、80cmから120cmくらいを目途(場所によってはもう少し深い辺りに粘土層がある場合があるので、1度穴を掘って確認しましょう。)に、思ったより深めに耕していきましょう。

畝づくりが終わっていたり、水はけをよくする場所が広すぎて耕すことが困難な場合は、縦穴をつくることがおすすめで、水はけが悪い土地の中でも、特に水はけが悪い箇所を中心に、80cmから150cmを目途に縦穴を掘ります。

この時の深さの目安は、粘土層を突き破って砂層まで到達することで、堀り起こした後は、その穴を埋めていくのですが、下層部分には掘り起こした石や砂利を敷き詰めていきます。さらに水はけをよくしたい場合は、その辺に落ちている石を拾い集めて下層部分に敷き詰めていくとより効果的です。

この様な縦穴式の天然のろ過装置を畑の水はけの悪い場所にいくつか設置することで、随分と水はけが改善するはずです!

土地の形状が原因で水はけが悪い時の対処法

水はけが悪い時の対処法 溝づくり

土地を耕したり、縦穴式のろ過装置をつくっても、水はけが改善されない場合は、水勾配がなかったり、元々が田んぼで周りの水が流れやすい状態になっているので、溜まった水を排水することが必要になってきます。

縦穴式のろ過装置をたくさんつくるという手もあるのですが、あまりにも労力がかかり過ぎてしまうので、溝(排水路)をつくることがおすすめです。

現在開墾を行っている土地は元々田んぼだった土地なので、すごく水はけが悪く、まとまった雨が降るとぬかるんで作業が出来ないくらいの土地です。

縦穴を掘るだけでは埒があかないので、まずは溝を掘ることを行っていきます。

実際に掘っている画像や動画を撮影しますので後お楽しみ!スコップや鍬で掘っているのとみぞほり器の違いの動画をつくると面白そうですね。(距離と時間で勝負をしてみるとか)

水はけの悪い畑での農産物の悪影響

水はけが悪い 根腐れ

農作物は根で水を呼吸するのですが、水はけが悪い土だと地中に空気がない状態なので、根が呼吸阻害を引き起こし枯死したり根腐れを起こして、農作物の生育が悪くなったり、水はけの悪さで湿度が高くなることによって、細菌カビの菌が増えやすくなるため、野菜が病気になりやすくなってしまいます。

また、水はけの悪い土地に水が溜まった状態で、その上を歩いたりすることで土がドロドロになり、細かい土の粒子が溜まりやすくなって、いわゆる粘土層というものが出来上がって、水はけの悪い土地が出来やすい、負のスパイラルに入ってしまいます。

この状態になっていると、土の栄養素が少なくなっていくばかりか、土壌が酸性に傾いてしまうため、農作物の成育が遅くなったり、障害が起きたりしやすくなってしまうのです。

水はけの悪い畑でも育つ野菜

水はけが悪い畑を水はけに良い畑にするのはなかなかの重労働なので無理という場合は、水はけの良い畑を諦めて、水はけの悪い畑でも育つ野菜をつくるという手もあります。

水はけが悪い畑でもしっかりと育つおすすめな野菜は…

  • 里いも
  • しょうが
  • ミョウガ
  • 空心菜
  • 枝豆
  • オクラ
  • 三つ葉

などになります。

上記の写真は水はけの悪い環境で、対して手入れをしていない場所で適当に育てていたのに、身長を超すくらいの立派な里芋が育ちました。相当な悪条件でない限り、上記の野菜であればある程度育ってくれます!

上記の7つほどではありませんが、水はけが悪い畑でも育つ可能性がある野菜は…

  • 落花生
  • シソ
  • モロヘイヤ
  • 四角豆
  • 大根
  • 人参
  • 冬瓜
  • サツマイモ
  • ナス

などがあげられます。個人的には四角豆の天ぷらが大好きでおすすめなので、ダメもとでいくなら四角豆がおすすめです。

逆に水はけが悪い畑では、まず育たない野菜(植えない方がいい野菜)は…

  • ピーマン
  • トマト(プチトマトなら育つ可能性有り。)
  • キュウリ
  • レタス
  • ネギ
  • にんにく
  • インゲン

などになります。環境や条件によって育つ可能性もありますが、まったく育たずに絶望感を味わう可能性もあるので、当面は手を出さないことをおすすめします。

まとめ

土地の環境などにより、水はけの悪い畑に遭遇することは、よくあることです。

農作物の種類にもよりますが、基本的に水はけの悪さは、農作物に良い影響は与えないので、対処が必要ですが、ネガティブな気持ちでやるよりも「どうしたら効率的に出来るか。」「何をしたらどうなっていくのか。」などの、チャレンジ精神をもって行っていくと、あっという間に出来てしまいますし、楽しみながら治水工事を行うことが可能です。

どうせ、やらなければならないのであれば、ぜひポジティブに前向きにやっていきましょう。

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n+編集長

やまだ

ライター

山口県出身で、現在は大阪・山口を拠点に“健康”と“教育”をテーマに、トレーニングジム・健康サロン・児童福祉施設・自然農畑を運営。 自身の身体不調をきっかけに現代医療に見切りをつけ、補完療法や自然療法を軸として「効果的」「簡単」「安価」をキーワードに、誰でも気軽に出来る健康実践法を追求し続けている。心許せる信頼出来る各分野のプロフェッショナルにサポートしてもらいながら「人生おもいっきり愉しむ計画!」を稼働中。