自然農法で活躍する益虫を紹介!【カマキリの活用方法】

自然農法は合成農薬等を使わずに、自然に近い状態で野菜や果物を育てていくので、育てる環境などによっては害虫の被害によって、作物が育たずに収穫出来ないという事案も起きてしまいます。

害虫被害を抑えるためには、コンパニオンプランツ(相性の良い植物をそばに育てること)の活用が有名ですが、今回は益虫(人に役立つ昆虫)。

特にカマキリについてご紹介していきます。

カマキリは益虫なのか?

カマキリが益虫たるゆえんは、ズバリ「害虫を捕食してくれるから!」になるでしょう。

益虫とは:一般的には害虫駆除してくれる虫を益虫と呼ぶことが多いですが、何らかの形で人間の生活に役立っていれば益虫と呼ばれ、小動物も益虫の中に分類されます。益虫にもなり害虫にもなる虫がありますが、人や環境によって左右されるので、絶対的な益虫というのは存在しないともいえます。

カマキリが益虫として食べてくれる虫は…

  • アオムシ
  • アブラムシ
  • ダニ
  • バッタ
  • コオロギ
  • ゴキブリ
  • ハエ

などがありますが、益虫にもなりうる、クモカエルトンボも捕食してしまうので、完全なる益虫とはいえないかもしれません。。。

ただ、アオムシやアブラムシをはじめ、農作物の天敵となる様な害虫をたくさん食べてくれますし、カマキリは肉食なので、農作物を食べられる心配もなく、ある程度安心して野放しが可能なので、自然農法の観点からいくと、益虫という扱いをしています。

害虫や益虫の判断は、人間の都合によって左右されていますが、虫からしたら大きなお世話と思っているでしょうね(笑)

農業に役立つカマキリの基礎知識

益虫としてカマキリを農地で野放しにする際に、多少の基礎知識があった方がいいので、カマキリの特徴をいくつかご紹介します。

カマキリの寿命

カマキリの寿命は平均すると大体半年くらいになります。

4月から5月くらいに卵から孵化して、脱皮を繰り返しながら8月~9月くらいに成虫になり、11月から12月くらいまでは生きていますが、寒さが厳しくなると死んでいきます。

カマキリの飛行能力

全ての種類のカマキリではないですが、カマキリは羽があって飛ぶことは可能です。(すべての脱皮が完了して成虫にならないと飛べません。)

飛ぶといっても、トンボや蝶の様な長時間の飛行は出来ずに、バッタと同じように、低時間低距離を飛んでいきます。

日本にいるカマキリ

日本に生息するカマキリの種類は、まだはっきりとしたことが解っておらず、これから新種のカマキリがでてくる可能性も十分に高いといわれています。

そんな中でもっとも、生息数が多く一般的なカマキリは、オオカマキリチョウセンカマキリになります。

農業的に考えると、繁殖しすぎると生態バランスが崩れてしまうことが懸念されますが、寒さで死滅してしまうので、繁殖の心配は無さそうですね!

カマキリの驚くべき生態

カマキリの生態を詳しく知っている方は少ないと思うので、カマキリの意外な生態も少しだけ紹介していきます。

カマキリは超肉食

カマキリはバリバリの肉食の昆虫ですが、自分よりも大きいハチドリなども捕食して食べてしまいます。世界的統計では、これまで24種類の鳥を捕食した事実が残っているようです。

カマキリを飼っている子どもなんかが、ウインナーやかまぼこなどを食べさせているみたいで、なんでも食べる肉食系昆虫といえますね。

カマキリの印象がちょっと恐ろしいものになりますが、毒もなく噛む力もそれほど強くないので、ちょっとした傷程度で殺傷能力はなさそうです!

カマキリの捕食本能

カマキリの捕食本能は地球上の生き物の中で恐らくトップクラスに入ります。

上記であげた様に自分より大きな鳥を捕食することもそうですが、餌がない場合は共食いもしますし、カマキリのメスは交尾相手を食べるという習性も持っていて、この習性によって、大体2割~3割のオスが交尾後にメスに食べられているといわれています。

カマキリの聴力

カマキリに耳はないのですが、耳の様な器官(人間の聴力を少し超える聴力)をもっていて、コウモリが獲物に接近した時に使う、超音波を聞き分ける能力があります。

この聴力によって、カマキリはコウモリに捕まりにくくなっています。

自然農法的カマキリ以外の主な益虫

環境等によって多少異なりますが、自然農法をする上で、カマキリ以外で益虫に分類される虫は以下のものがあげられます。

テントウムシ

植物の汁を吸うことがあるので、害虫と分類する方もいらっしゃいますが、アブラムシ・カイガラムシ・ハダニ・どんこ病の菌などを捕食してくれるので、益虫として有名です。

あとは、これも人間の都合ですが、見た目が可愛いので嫌う人は少ないという特徴もあります。

トンボ

トンボは成虫になるとミツバチなどの益虫も食べてしまいますが、蛾・バッタ・ボウフラなどの害虫を捕食してくれるので、益虫とされています。

クモ

クモも益虫を食べてしまうこともありますが、アシダカグモやハエトリグムなどは、ゴキブリやハエなどの害虫を捕食してくれます。

ミツバチ・蝶

ミツバチや蝶は花の蜜を集めるために、花から花へと飛んでいきますが、その際に受粉の手助けをしてくれ、植物の繁殖に大きな役割をもっているので、益虫になります。

ミツバチは、集めた蜜が蜂蜜となり、人間にとって大きな益ももたらしてくれるので、益虫の王様と呼ばれたりもしています。

ミミズ

虫ではないのですが、自然農法を行う上で、ミミズは最強の益虫となります。

落ち葉や植物の残りカスなどの有機物を食べて、土中などに糞をして、この糞が植物の養分をつくったり、土壌づくりに必要不可欠な微生物を活性化してくれます。

化学肥料を使わない自然農法では、超益虫といえるかもしれません。

カマキリの卵をたくさん拾ってみた

1月にセイタカアワダチソウの草刈りをしていた時に、オオカマキリの卵をたくさん拾うことが出来ました。

以下の様な雑草の生い茂った場所で目を凝らして探していると、結構カマキリの卵が見つかります!

益虫カマキリの卵探索

動画の様に畑の近くの物置に差し込んで、孵化を待ちます。

オオカマキリの卵を孵化させる場合は、暖かいところで保管すると春を待たずに孵化をして、餌がとれずに死んでしまう可能性があるので、出来るだけ屋外の寒いところで保管するようにします。

春になって孵化をして順調に育てば、行動範囲の狭いカマキリは同じ場所に留まりやすいので、寒くなるまで安定的に害虫駆除が期待できます。

1つの卵には100匹から300匹くらいの赤ちゃんが産まれますが、無事に成虫になるのは2~3匹といわれていますので、今回は成虫になるカマキリ20~30匹期待出来そうです!

……と、胸を躍らせながらカマキリの孵化を心待ちにしていたのですが。

なんと、カラスの大群に襲われカマキリの卵をすべて食べられてしまいました。物置の周りには、無残に食べ散らかされたカマキリの卵の殻だけが散乱しており、それを拾い集めたのがこちらです。

益虫カマキリの卵の殻

なんとも無残な状態で悲しいというか悔しいというか。

この日の夕方近所の電線に大量にカラスが並んでいたので、恐らく彼らの仕業かと思います。

益虫カマキリの卵を食べたカラス達

ただ、これも自然の摂理なので仕方のないこと。カラスが食べ物にありつけたということで良しとしましょう。

カマキリの卵を孵化させるには、ある程度気温の低いところで孵化させないといけないですが、ネットを張るなどのなんらかの対策があった方がいいですね!

カマキリの卵を再度拾ってみた

カマキリの卵をカラスに食べられておよそ1年後。セイタカアワダチソウの草刈りをしている時にカマキリの卵10個みつけたので、再度拾ってみました。

前回は無造作に置いていたのでカラスに食べられてしまったので、今回は寒さに弱い観葉植物を保管しているガラス内にカマキリの卵を保管します。

接着剤をつかって板に張り付けたり、色んなパターンで保管してみましたので参考にしてみてください。

これなら頭のいいカラスとて、容易には手をだせないはずです。

恐らく20匹位のカマキリは見込めると思うので春がくるのが楽しみですね。

まとめ

益虫か害虫かの判断は、環境や人によって見解が変わるものですが、自然農法をする上では、カマキリは益虫といえます。

自然農法も、色んなバランスの兼ね合いが必要なので、カマキリを孵化させて定着したからうまくいくということでもないですが、実際にやってみてどうなるかというのを見極めていくのも自然農法の醍醐味の1つです。

色んな角度から畑を観察して、自然農ライフを満喫していきましょう。

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n+編集長

やまだ

ライター

山口県出身で、現在は大阪・山口を拠点に“健康”と“教育”をテーマに、トレーニングジム・健康サロン・児童福祉施設・自然農畑を運営。 自身の身体不調をきっかけに現代医療に見切りをつけ、補完療法や自然療法を軸として「効果的」「簡単」「安価」をキーワードに、誰でも気軽に出来る健康実践法を追求し続けている。心許せる信頼出来る各分野のプロフェッショナルにサポートしてもらいながら「人生おもいっきり愉しむ計画!」を稼働中。